2016.12.09
スタッフブログ
天に召された才能
こんにちわ。
「師走の風は寒さと忙しさを運んでくるなあ」と、
もっともらしいことを軽い口調で言ってのける、
事務所スタッフ・加藤です。
12月。
「今年もいろいろあったなあ」と、
ノスタルジックな気分に浸る季節です。
それにしても、今年は本当にミュージシャンの訃報が多いです。
以前、追悼文を書かせていただいたピート・バーンズに続き、
レナード・コーエン、グレッグ・レイク(元EL&P)までも天に召され、
そしてつい先日、日本でもこの方が亡くなりました。
朝本浩文さん。
1985年のAUTO MODでのデビュー後、
日本初のダブ・バンドであるMUTE BEATにも参加し、
その後はプロデューサー業の傍ら、
自身のユニット、Ram Jam Worldでも作品を発表するなど、
精力的に活動されていましたが、
2年前に起きた自転車からの転倒事故で脳を患い、
意識不明のまま、11月30日に亡くなられました。
AUTO MODやMUTE BEATの頃は、
流石にリアルタイム世代ではないのですが、
その後のRam Jam Worldに至っては、結構聴き込んでいました。
今回の訃報を受けてアルバムを見直してみたら、
気づかないうちに全部買い揃えてたことにびっくりです。
朝本さんが作る曲やトラックは、
ダブ/レゲエに触発されたであろう、
およそ日本人とは思えない、
特有の「重み」とか「愁い」を帯びた雰囲気のものが多く、
こういった独特の重さやグルーブ感が大好きでした。
楽曲提供した作品では、
「情熱」とか「悲しみジョニー」といった、
UAのシングルが一番ヒットしていると思いますが、
それまでの邦楽にはなかった、独特の物憂げな作風は、
今聴いても、充分カッコいいと思います。
2年間、闘病生活は苦しかっただろうと思います。
R.I.P.
それでは今日の一曲。
朝本さんが手がけた曲を一曲紹介します。
Ram Jam World、1997年のドラマ「Five」の
サウンドトラックより、
「Searchin’(Strings Version)。
ドラマは日テレ・土曜九時から放送されており、
視聴率は最高18%と、結構よかったようです。
この曲は、ドラマのハイライトで必ずと言っていいほど使われており、
OPで使われていた、ドランムンベースアレンジのバージョンより、
個人的には、こっちの方が印象に残っています。
メロディー・セクストンのエモーショナルなボーカルが、
切ない響きのストリングスアレンジで、際立っています。
こういう深みと愁いのある曲が、もう聴けないと思うと、
とてもさみしくなります。
改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。